中央大学 文学部 泉ゼミ (美術史美術館コース) ブログ

美術史美術館コースは、中央大学文学部フランス語文学文化専攻に設置されています。このブログは、日頃のゼミ活動を更新しています。

ようこそ、泉ゼミ・ブログへ。
ゼミは3、4年生で構成され、2年間で、フランスを中心とした西洋美術史、美術館や文化遺産の歴史や今日のあり方について学びます。
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このブログは、ゼミの紹介がメインです。
ゼミ活動のまとめは、上のメニューバー「ゼミについて(毎年更新)」をご覧ください。
大学のゼミってどんな活動をするの? 文学部のゼミでどういうことを学ぶの?
そういうことを知りたい方に、うちのゼミの様子をお伝えできればと思います。

カテゴリ: 見学会

日時:2024年2月3日(土)午後
場所: DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)
https://kawamura-museum.dic.co.jp/

ゼミの見学会はいつも東京圏内が多いのですが、今回は千葉県佐倉まで遠出しました。その目的地は、2025年4月から休館が予定されている、DIC川村記念美術館です。送迎バスに30分ほど乗って、現地に到着。
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そして忘れないうちに、集合写真を撮りました。
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入り口では、フランク・ステラのオブジェがお出迎え。
印象派から20世紀前半の名画の部屋では、オーディオ解説が充実しているので、学生たちはじっくり作品観察をしたことでしょう。そしてレンブラントの作品をへて、シュルレアリスム、抽象絵画、ジョゼフ・コーネルの箱、そしてロスコ・ルームへ。
2階の200展示室は個人的にお気に入りの部屋です。左右のガラス窓からニュアンスの異なる光が差し込み、その光のもとで展示作品を堪能できます。時間があればずっと過ごしていたい素晴らしい部屋です。ロスコ・ルームは外の光を取り込まず、赤の色彩が放つ光のみ。その対比が見事です。そして、フランク・ステラの絵画の変遷を追いつつ、最後に企画展「西川勝人 静寂の響き」をみて終了。

学生たちと庭園を散歩し、テラスでお茶をしました。
4年生にとっては、今回の訪問がゼミ最後の見学会となりました。一度は学生を連れて訪れたいと思っていたので、よい機会になりました。

写真は以前訪れた時、5月に撮影したものです。藤棚がとてもきれいでした。
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日時:2024年6月2日(日)午後
場所:東京国立近代美術館
https://art.nikkei.com/trio/

2024年度のゼミ生が選んだもうひとつの展覧会です。

パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館のモダンアート・コレクションから、34のテーマのもとにトリオを組むというユニークな構成の展覧会です。日頃、ゼミでは比較を通した作品分析をよく行います。まさにうってつけの展覧会です。

総勢110名の作家が登場しますので、事前学習では、学生たちは、担当する章のなかで、自分の知らない作家について調べました。今回は絵画だけでなく、彫刻、版画、素描、写真、デザイン、映像と多岐にわたる作品が展示されますので、「作家を知る」という意味でも勉強になります。

事後学習では、学生ひとりひとりが、34のテーマのなかからひとつを選び出し、発表形式でトリオの分析を試みました。今回の発表を通して、モダンアートの表現の多様性を知るとともに、広告、デザイン、写真といった身近な作品から、その魅力を楽しみながら学ぶ機会になったと思います。

個人的には、百瀬文《Social Dance》を初めて見たのですが、その映像の力に惹きつけられました。また、ヘンリー・ダーガーをとても楽しみにしていました。著作権の関係で図録に掲載がなかったのが残念でした。
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日時:2024年5月12日(日)午前
場所:SOMPO美術館
https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2023/magic-north/

2024年度のゼミ生が選んだ展覧会のひとつです。
北欧関係の展覧会は、昨今、建築やデザインの分野で開催されました。ゼミでは数年前にアアルト展に行きました。今回は絵画作品の展示ということで、国立西洋美術館にアクセリ・ガッレン=カッレラの作品が近年収蔵されたはものの、国内で観ることのできる作品は限られていると思います。北欧の絵画を取り上げた企画展はめずらしいという意見が多くあり、選ばれました。

グループごとに担当セクションを決め、それぞれのテーマやキーワード、芸術家を把握したうえで、作品の考察を発表しました。
学生たちが感想として指摘したのは、
・北欧独自の文化や自然に根ざした絵画作品の発見
・館内のBGMによって、視覚だけでなく聴覚も楽しめた
・北欧の都市風景の静謐、北欧の自然風景の冷たさ
・北欧の神秘性とその変遷
・山や森の日本とは違う価値観
などです。
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日時:2024年2月3日(土)午後
場所: モスク見学(東京ジャーミイ・ディヤーナト トルコ文化センター)
https://tokyocamii.org/ja/
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ある学生が「モスク」に行ってみたいということから、ゼミで企画しました。
教員は見学場所を決めるだけ。あとは、ゼミの3年生にお任せです。
モスクという場所、イスラーム美術の文様、モスク内用語、モスク内の見所、服装の注意事項、撮影の注意点、礼拝場での注意点などをまとめたパフレットを作成してもらいました。
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この日は快晴で、青い空に白いモスクのコントラストが際立っていました。
また訪れた日はたまたまですが「世界ヒジャーブ・デー」で、ヒジャーブを本格的に巻いて頂きました。
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ヒジャーブを巻いた後、ガイドツアーに参加し、1階エントランスでガイドさんによる興味深くて分かりやすいイスラーム文明についての解説を受けた後、モスクに入場させていただいました。ちょうど礼拝の時間に重なっていたので、静かに見学させて頂きました。モスク内の鮮やかで繊細な文様装飾に見とれているうちに首が痛くなってきました。本格的なモスクを体験できる貴重な場所です。
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折しも、2月4日のNHK教育「日曜美術館」はトプカプ宮殿の回でした。チューリップの文様が出てきました。

2019年度の合宿から、4年ぶりに、夏の企画を復活させました。昨年度の卒業生がゼミ合宿/旅行に行きたかったと言っていたのが、気になっていましたし、今年度は新型コロナが5類に移行しましたので、無理のない範囲で企画を立てました。

2023年度は山梨県立美術館と中村キース・ヘリング美術館を訪れました。2日目は、電車とタクシーを使ったので時間がかかりましたが、自然のなかの美術館では、とても気持ちのよい、すがすがしい気分に満たされました。

日時:2023年9月2日(土)
場所:山梨県立美術館
https://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/
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ミレーバルビゾン派のコレクションをもつ有名な美術館です。まず画家ミレーについてのアニメーション・ビデオを10分ほど見た後、展示室に入りました。今回、ボランティアの学芸員さんに解説をお願いしました。快く引き受けてくださり、30~40分の解説をしてくださいました。たとえ美術史の知識はあっても、はじめて訪れる私たちにとって、いつもミレーの作品に接している方の解説は、とても聞き応えがありました。分かりやすい解説の後、学生たちはそれぞれ自分の眼で作品と向き合いました。

ここの美術館は、都内の美術館とは異なり、スペースにゆとりがあります。作品の前で多少会話をしても許されるような、おおらかな雰囲気がありました。というわけで、教員が多少知識を与えながら、作品の前で学生と対話するという貴重な機会を持てました。

バルビゾンのコレクションも、大変見応えがあり、風景画の歩みをたどることができる展示でした。

展覧会を観るのに夢中になって、いつも忘れてしまう集合写真。
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日時:2023年9月3日(日)
場所:中村キース・ヘリング美術館
https://www.nakamura-haring.com/
2日目は甲府駅に集合して、電車とタクシーで美術館に向かいました。タクシーがなかなかつかまらないので、時間を要しました。タクシーの運転手さんによると、小淵沢駅あたりは標高1000メートルのところにあるそうで、耳に違和感を覚える人もいるそうです。日差しは強いですが、日陰に入った時の風の気持ちよさは格別です。
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現代アートのわくわく感が体験できる美術館で、学生たちのテンションは上がりっぱなし。1980年代のアメリカのことを知らなくても、力強い線、独特な形の反復と、鮮やかな色は、楽しませてくれます。学生たちを連れてきてよかったです。
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