中央大学 文学部 泉ゼミ (美術史美術館コース) ブログ

美術史美術館コースは、中央大学文学部フランス語文学文化専攻に設置されています。このブログは、日頃のゼミ活動を更新しています。

ようこそ、泉ゼミ・ブログへ。
ゼミは3、4年生で構成され、2年間で、フランスを中心とした西洋美術史、美術館や文化遺産の歴史や今日のあり方について学びます。
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このブログは、ゼミの紹介がメインです。
ゼミ活動のまとめは、上のメニューバー「ゼミについて(毎年更新)」をご覧ください。
大学のゼミってどんな活動をするの? 文学部のゼミでどういうことを学ぶの?
そういうことを知りたい方に、うちのゼミの様子をお伝えできればと思います。

2025年01月

泉ゼミでは、毎年3回ほどの見学会を企画しています。前期2回の見学会を終えたあと、学生たちに次のような質問をしてみました。

実物の作品を見ることについて

実際に見てみると写真で見るよりも立体的で、川の水の描き方も遠くから見ると透明に見えるけど、近くで見ると深い緑や青で描かれていて、観る場所によって違ったイメージになる点に驚きました。

私達は普段からGoogleArt&Cultureや画集などを使って作品観察や作品比較をしているけれど、実際のサイズ感や絵の具の盛り上がりなど、実際に見ないと得られない情報というものはやはり多いなと感じた。

図録や画面で作品を見ると基本的に背景は白ですが、美術館内の照明や壁の色、額縁によって作品の印象が大きく変わるという点が重要だなと思っています。

絵画のサイズ感から生じる貫禄や図録とは異なった実際の色彩、筆触を感じることが出来ました。

作品のサイズ感を感じることは、やはり展示されてる作品を見ることならではなので、実際に見て迫力に圧倒されたり、思ったよりもシュールな作品だと思ったり、事前知識としての自分のイメージ像とギャップがあるほど、その作品は自分の中で印象に残った。

展覧会で作品をみることについて

だいぶ慣れてきました。作品数が多いと疲れることもありますが、その時は積極的にソファーを利用するようにしています。

展覧会で観た瞬間の漠然とした感想や、作品を分析したときの情報を言語化することが難しいなと思っています。

ギリシア神話などの学んだことを主題としている絵画があるとテンションは上がるのですが、抽象的な絵画や立体物を観察することは少し苦手です。

展覧会を見ることは楽しいが、自分自身、集中力があまりないので、前半に力を入れすぎて、後半はかなり疲れてしまっていることがあり、前半に比べて後半はしっかり観察できていないかもしれないとよく感じる。事前学習であらかじめ見たいものを明確に決めておいて、メリハリをつけて展覧会全体を観察できるようにしたい。

作品や展覧会の意図は理解出来ているように思う。しかし、それを自分の中に落とし込んで消化するところ までは追いついてないと感じる。

深く集中する時間が続くため、展覧会を終えるときは 毎回疲れきっている。しかし、これも自分の学びや刺激に繋がっているため苦だと感じたことはない。

「疲れる」けれど、「慣れてきた」という感想が多かったですが、回を重ねると、自分にとってみるときのポイントが生まれてきます。ゼミの2年間、観察する眼を鍛えましょう。

日時:2024年2月3日(土)午後
場所: DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)
https://kawamura-museum.dic.co.jp/

ゼミの見学会はいつも東京圏内が多いのですが、今回は千葉県佐倉まで遠出しました。その目的地は、2025年4月から休館が予定されている、DIC川村記念美術館です。送迎バスに30分ほど乗って、現地に到着。
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そして忘れないうちに、集合写真を撮りました。
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入り口では、フランク・ステラのオブジェがお出迎え。
印象派から20世紀前半の名画の部屋では、オーディオ解説が充実しているので、学生たちはじっくり作品観察をしたことでしょう。そしてレンブラントの作品をへて、シュルレアリスム、抽象絵画、ジョゼフ・コーネルの箱、そしてロスコ・ルームへ。
2階の200展示室は個人的にお気に入りの部屋です。左右のガラス窓からニュアンスの異なる光が差し込み、その光のもとで展示作品を堪能できます。時間があればずっと過ごしていたい素晴らしい部屋です。ロスコ・ルームは外の光を取り込まず、赤の色彩が放つ光のみ。その対比が見事です。そして、フランク・ステラの絵画の変遷を追いつつ、最後に企画展「西川勝人 静寂の響き」をみて終了。

学生たちと庭園を散歩し、テラスでお茶をしました。
4年生にとっては、今回の訪問がゼミ最後の見学会となりました。一度は学生を連れて訪れたいと思っていたので、よい機会になりました。

写真は以前訪れた時、5月に撮影したものです。藤棚がとてもきれいでした。
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