中央大学 文学部 泉ゼミ (美術史美術館コース) ブログ

美術史美術館コースは、中央大学文学部フランス語文学文化専攻に設置されています。このブログは、日頃のゼミ活動を更新しています。

ようこそ、泉ゼミ・ブログへ。
ゼミは3、4年生で構成され、2年間で、フランスを中心とした西洋美術史、美術館や文化遺産の歴史や今日のあり方について学びます。
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このブログは、ゼミの紹介がメインです。
ゼミ活動のまとめは、上のメニューバー「ゼミについて(毎年更新)」をご覧ください。
大学のゼミってどんな活動をするの? 文学部のゼミでどういうことを学ぶの?
そういうことを知りたい方に、うちのゼミの様子をお伝えできればと思います。

2019年12月

日時:2019年11月24日(日)14時スタート
場所:国立近代美術館

2年生の授業で展覧会に行ってきました。
授業で5つの選択肢を示し、投票によって

国立近代美術館 「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅 」
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/windows/
に行ってきました。
20世紀のアートを中心に、普段の授業では紹介できない、あらゆるジャンルの作品を観るよい機会となりました。「窓」というテーマがあることによって、現代アートにもアプローチしやすかったのではないでしょうか。
個人的には、
ドアノーの写真3連作
ズビグニエフ・リプチンスキのヴィデオ作品《タンゴ》1980年
西京人《第3章:ようこそ西京に―西京入国管理局》2012年 
がおもしろかったです。
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私の好きな麗子像も「窓展」に出品されていました。
http://search.artmuseums.go.jp/gazou.php?id=4760&edaban=3

展覧会:「ルネ・ユイグのまなざし フランス絵画の精華 大様式の形成と変容」
開催期間:2019年10月5日~2020年1月19日

場所:東京富士美術館(八王子)
公式HP

フランスの美術史家ルネ・ユイグを回顧し、17世紀から19世紀のフランス絵画におけるアカデミーの伝統をたどる展覧会でした。
ちょうど後期の授業で、17世紀のアカデミー誕生と、1667年講演会に触れたところだったので、自分の理解を深めるためにも行ってきました。
アカデミーを代表する画家たちの秀逸な作品群が展示され、「大様式の形成と変容」を一望できるまたとない機会ですので、フランスの伝統的な絵画のことを勉強したい人にはおすすめです。
最後の部屋にフランドランのギリシアの青年像が展示されており、気分がアップしました。
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「フランス絵画の精華」は企画展で、
館蔵品展「時代を拓いた女性フォトグラファー」展
館蔵品展「エドゥアール・マネのエッチング30枚」展 パリ刊行、1905年
常設展「西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで」
特別展示 作者不詳(レオナルド・ダ・ヴィンチに基づく)《ダヴォラ・ドーリア》(《アンギアーリの戦い)の軍旗争奪場面)(複製展示)
も観ました。とても盛沢山なので、時間に余裕をもって出かけてください。
図録を授業で紹介する予定です。

泉ゼミでは美術館見学会後にはかならずレポートの課題を出しています。
3年生はこれまで
「ドービニー展」、「松方コレクション展」のレポートを、こちらが渡した書式に基づいて書いてきました。
「コートールド美術館展」のレポートでは、展覧会で観た作品を1枚あるいは複数枚選び、テーマを自分で設定して論じるというものでした。さらに次のような指示を出しました。
1.選んだ作品に関連する文献(展覧会図録のほかに)を必ず読むこと。
2.文献の引用をして、注を付けること。
3.引用した文章に対する自分の見解を述べること。
4.レポートの最初に作品のディスクリプションをすること。
11月のゼミでは、4年生が卒論論文に取り掛かっているあいだ、3年生は展覧会レポートに専念してもらいました。11月末に提出し、個人面談によってそのレポートの成果を確認しました。

総評として、今回のレポート課題で大きな進歩がありました。みなさん感想文ではないしっかりとした客観的な分析に基づくレポートを書いてくれました。また、作品をよく観察するということを実践してくれました。この進歩を学年末レポートに結び付けてください。

①取り上げた作品、②レポートのタイトル(今回は、マネ作品については事前勉強をしていたので、選択肢から除外しました。)

ドガ《窓辺の女》1871-1872
・ドガの絵画における社会風刺

モネ《秋の効果、アルジャントゥイユ》1873

・モネにおける筆触分割

ルノワール《桟敷席》1874
・ルノワールの人物描写について
・ルノワールが用いた光の効果
・桟敷席を通してみる都市生活と劇場

ドガ《舞台上の二人の踊り子》1874
・ドガの世界のとらえ方

シスレー《セーヌ川の船》1877年頃
・《セーヌ川の船》における水面がもたらす効果

スーラ《クールブヴォワの橋 》1886-1887年頃、他
・スーラにおける印象派から点描主義への変遷

セザンヌ《大きな松のあるサント=ヴィクトワール山》1887

ゴッホ《花咲く桃の木々》1889
・ゴッホの色彩 青の使い方

ブーダン《ドーヴィル》1893
・ウジェーヌ・ブーダンとフランソワ・ドービニー

ルノワール《アンブロワーズ・ヴォラールの肖像》1908《靴紐を結ぶ女》1918
・ルノワールの人物表現

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