中央大学 文学部 泉ゼミ (美術史美術館コース) ブログ

美術史美術館コースは、中央大学文学部フランス語文学文化専攻に設置されています。このブログは、日頃のゼミ活動を更新しています。

ようこそ、泉ゼミ・ブログへ。
ゼミは3、4年生で構成され、2年間で、フランスを中心とした西洋美術史、美術館や文化遺産の歴史や今日のあり方について学びます。
★★★★★★
このブログは、ゼミの紹介がメインです。
ゼミ活動のまとめは、上のメニューバー「ゼミについて(毎年更新)」をご覧ください。
大学のゼミってどんな活動をするの? 文学部のゼミでどういうことを学ぶの?
そういうことを知りたい方に、うちのゼミの様子をお伝えできればと思います。

新学期が始まりますが、今年は残念ながら、いつものような集合型の授業を実施することが難しくなっています。大学ではオンライン授業の導入が進められています。

学生のみなさんは、大学に行くこと、大学の図書館に行くことも、今は制限されています。
また、首都圏の美術館は臨時休館が続いています。
前期は
ロンドン・ナショナル・ギャラリー」展(国立西洋美術館)
オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」展(東京都現代美術館)
ロンドン・ナショナル・ギャラリーについては、2年生の「入門演習」で学びましたね。(オラファー・エリアソンも授業のある資料のなかで出てきたのですが、覚えていますか?)
今後開催スケジュールがどうなるか分かりません。

美術館に足を運ぶのが難しい状況のなかで紹介したいのが、
Google Arts & Cultureです。
https://artsandculture.google.com/
Google Chromeのブラウザーを使っている人は、「拡張機能」を設定すれば簡単にアクセスできます。
美術手帖のHPで紹介されていたので、詳しいことはこちらを読んでください。
「ゴッホもレンブラントも目の前に。Googleでアートを楽しむ方法」(『美術手帖』2020年3月29日掲載)

Google Arts & Cultureのサイトに入ると、右上に「トピック」という項目があります。
自分が卒論で取り上げようと思っている画家の作品をみてみましょう。
「トピック」ではさまざまなテーマが設定されていますので、こうしたツールを使うことにより、思わぬ発見があるかもしれません。

2019年度ゼミ生による「卒業論文」と「学年末レポート」のタイトル

4年生 卒業論文タイトル

モネとジャポニスム――ジャポニスムの発展と影響
サルバドール・ダリとガラ――画家に大きな影響を与えるモデル
日本の地方文化政策――効果的なアートマネジメントの方法論
ゴッホの自画像研究――自己の探求から得たものとは
クリムトとファム・ファタル
ゴッホとジャポニスム――浮世絵から何を学んだか
シャガールの描いた愛
ドラクロワの初期作品における革新とその独自性について
肖像画の名手ピエール=オーギュスト・ルノワールの描く子供
アントワーヌ・ヴァトーのフェート・ギャラントにおける“儚さ”の表現についての考察
ウィリアム・モリスのデザイン――壁紙の調和

3年生 学年末レポートタイトル(5000字前後)
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒの人生から考察する《氷海》
レンブラントにおける光の表現について――光に込めた意味
レオナルド・ダ・ヴィンチ――巨匠はいかにして作られたのか
英国最大の風景画家――ウィリアム・ターナー
フィンセント・ファン・ゴッホ――探求し続けた色彩学
19世紀モードから見た印象派ルノワール
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ――ヴィーナスに見られる美の表現
エドガー・ドガの世界へのまなざし
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ――絵の中に隠された自然への価値観
ジョルジュ・スーラ――点描法のルーツを求めて
次世代の廃校利用可能性
西洋美術史における廃墟芸術の歴史とその魅力

3年生の学年末レポートと、4年生の卒業論文の概要をまとめて冊子にし、2019年度ゼミ活動の成果としました。

ブログ更新がご無沙汰となりました。
2019年度のゼミは、卒業論文口述試験と学年末レポート提出を最後に、1月に終了しています。
春休みの間に、東京都美術館で開催されている「ハマスホイとデンマーク絵画」展(公式HP)を観に行こうと思っていたのですが、新型コロナウイルスの影響で閉幕してしまいました。

授業で紹介できればいいなと思っている映画作品
『シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢』

郵便配達員が33年かけて奇想の宮殿を築いた実話をもとにしたドラマ。
リヨンを経由してバスを使って訪問することができます。。
一度訪れたいと思っています。
公式HP

『エッシャー 視覚の魔術師』
マウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898~1972)のドキュメンタリー映画
公式HP

『盗まれたカラヴァッジョ』
ガラヴァッジョ作品の盗難事件をモチーフにしたサスペンスドラマ
公式HP

『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』
フィンランド映画
オークションに出品された作者不詳の肖像画をめぐって、老画商と孫息子が画家を特定する調査の乗り出す家族の物語
公式HP

『コロンバス』
インディアナ州コロンバスを舞台とした映画。ここはモダニズム建築の宝庫だそうです。ここに拠点を置くエンジンメーカーの社長が1950年代にモダニズム建築家による公共施設の建築を積極的に支援したとか。
公式HP

日時:2019年11月24日(日)14時スタート
場所:国立近代美術館

2年生の授業で展覧会に行ってきました。
授業で5つの選択肢を示し、投票によって

国立近代美術館 「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅 」
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/windows/
に行ってきました。
20世紀のアートを中心に、普段の授業では紹介できない、あらゆるジャンルの作品を観るよい機会となりました。「窓」というテーマがあることによって、現代アートにもアプローチしやすかったのではないでしょうか。
個人的には、
ドアノーの写真3連作
ズビグニエフ・リプチンスキのヴィデオ作品《タンゴ》1980年
西京人《第3章:ようこそ西京に―西京入国管理局》2012年 
がおもしろかったです。
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私の好きな麗子像も「窓展」に出品されていました。
http://search.artmuseums.go.jp/gazou.php?id=4760&edaban=3

展覧会:「ルネ・ユイグのまなざし フランス絵画の精華 大様式の形成と変容」
開催期間:2019年10月5日~2020年1月19日

場所:東京富士美術館(八王子)
公式HP

フランスの美術史家ルネ・ユイグを回顧し、17世紀から19世紀のフランス絵画におけるアカデミーの伝統をたどる展覧会でした。
ちょうど後期の授業で、17世紀のアカデミー誕生と、1667年講演会に触れたところだったので、自分の理解を深めるためにも行ってきました。
アカデミーを代表する画家たちの秀逸な作品群が展示され、「大様式の形成と変容」を一望できるまたとない機会ですので、フランスの伝統的な絵画のことを勉強したい人にはおすすめです。
最後の部屋にフランドランのギリシアの青年像が展示されており、気分がアップしました。
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「フランス絵画の精華」は企画展で、
館蔵品展「時代を拓いた女性フォトグラファー」展
館蔵品展「エドゥアール・マネのエッチング30枚」展 パリ刊行、1905年
常設展「西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで」
特別展示 作者不詳(レオナルド・ダ・ヴィンチに基づく)《ダヴォラ・ドーリア》(《アンギアーリの戦い)の軍旗争奪場面)(複製展示)
も観ました。とても盛沢山なので、時間に余裕をもって出かけてください。
図録を授業で紹介する予定です。

泉ゼミでは美術館見学会後にはかならずレポートの課題を出しています。
3年生はこれまで
「ドービニー展」、「松方コレクション展」のレポートを、こちらが渡した書式に基づいて書いてきました。
「コートールド美術館展」のレポートでは、展覧会で観た作品を1枚あるいは複数枚選び、テーマを自分で設定して論じるというものでした。さらに次のような指示を出しました。
1.選んだ作品に関連する文献(展覧会図録のほかに)を必ず読むこと。
2.文献の引用をして、注を付けること。
3.引用した文章に対する自分の見解を述べること。
4.レポートの最初に作品のディスクリプションをすること。
11月のゼミでは、4年生が卒論論文に取り掛かっているあいだ、3年生は展覧会レポートに専念してもらいました。11月末に提出し、個人面談によってそのレポートの成果を確認しました。

総評として、今回のレポート課題で大きな進歩がありました。みなさん感想文ではないしっかりとした客観的な分析に基づくレポートを書いてくれました。また、作品をよく観察するということを実践してくれました。この進歩を学年末レポートに結び付けてください。

①取り上げた作品、②レポートのタイトル(今回は、マネ作品については事前勉強をしていたので、選択肢から除外しました。)

ドガ《窓辺の女》1871-1872
・ドガの絵画における社会風刺

モネ《秋の効果、アルジャントゥイユ》1873

・モネにおける筆触分割

ルノワール《桟敷席》1874
・ルノワールの人物描写について
・ルノワールが用いた光の効果
・桟敷席を通してみる都市生活と劇場

ドガ《舞台上の二人の踊り子》1874
・ドガの世界のとらえ方

シスレー《セーヌ川の船》1877年頃
・《セーヌ川の船》における水面がもたらす効果

スーラ《クールブヴォワの橋 》1886-1887年頃、他
・スーラにおける印象派から点描主義への変遷

セザンヌ《大きな松のあるサント=ヴィクトワール山》1887

ゴッホ《花咲く桃の木々》1889
・ゴッホの色彩 青の使い方

ブーダン《ドーヴィル》1893
・ウジェーヌ・ブーダンとフランソワ・ドービニー

ルノワール《アンブロワーズ・ヴォラールの肖像》1908《靴紐を結ぶ女》1918
・ルノワールの人物表現

日時:2019年10月26日(土)11時スタート
場所:東京都美術館
3年生だけの見学会。前日の豪雨とは打って変わって快晴でした。
上野公園は大勢の人びとでにぎわい、気持ちのよい1日でした。
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エスカレーターを降りて、東京都美術館へ
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今回の見学会は「ゴートールド美術館展 魅惑の印象派展」です。
前回の「ドービニー展」よりも、今回は入念に予習をして出かけました。
1.コレクターのコートールド氏とそのコレクションについて
2.今回の目玉作品、マネ《フォリー・ベルジェールのバー》について
ゼミ2回分をかけて、みっちり勉強したので、その知識をもとにじっくり鑑賞できたのではないでしょうか。
展覧会では、コートールド氏があれらの絵画を室内でどのように飾っていたのか、空間再現の展示もありました。美術資料の展示もいくつかあり、教える立場で興味深かったのは、「コートールド美術研究所の初年度の試験問題、1933年」です。
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さて、見学会後の課題は、出品作品で1枚あるいは数枚を選び、テーマを設定して論じることです。
コートールド氏は自分の感性に響いたものを購入したということでした。みなさんも自分の感性で作品を選び出し、そこからは頭を使ってどのようなテーマで論じることができるのか、考えてみましょう。
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最後に、ロダン《地獄の門》
この鋳造は世界に8体あって、松方コレクションはその一つであり、どういう経緯で日本に送られてきたのか、ゼミで勉強しましたね。

レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)、21世紀に入っても話題の多い画家です。
2019年は没後500年という記念すべき年です。フランスや日本、世界でさまざまな企画が開催されると思います。

ルーヴル美術館では2019年10月24日~2020年2月24日の期間「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」が開催されています。事前予約が必要な展覧会のようです。公式HP(フランス語)を参照してください。
https://www.louvre.fr/expositions/leonard-de-vinci

日本でもNHKで11月に特集番組が組まれているようです。
[特集]500年目のダビンチ
2019年11月4日(月)天才ダビンチ 500年目のミステリー
2019年11月4日(月)BS世界のドキュメンタリー「ダビンチ幻の肖像画」
2019年11月9日(土)ETV特集「伊集院静 ダビンチをめぐる冒険」
2019年11月10日(日)NHKスペシャル ダビンチ・ミステリー第1集「モナリザの秘密~“透過カメラ”が真実を暴く(仮)」
2019年11月16日(土)ダビンチ「幻の肖像画」
2019年11月10日(日)NHKスペシャル ダビンチ・ミステリー第2集「ダヴィンチの謎~AIが解き明かす“万能の天才”の正体(仮)
2019年11月24日(日)世界の大発見か ダビンチ「もう一枚の油絵」

せっかくですので、死後500年たっても語り継がれるレオナルドの魅力は何なのか、授業でも1回は取りあげたいと思います。

10月に入っても、まだ暑さが残ります。
秋が深まるにつれて、街の雰囲気も変わるでしょう。
「芸術の秋」と言われように、都内でも面白そうな展覧会が目白押しです。
3年生のゼミは見学会先がすでに決まっていますが、2年生の入門演習はこれから決めます。
候補に挙げたのが、以下の展覧会です。

国立近代美術館 「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅 」
https://www.momat.go.jp/am/2019/
「窓」をテーマにした展覧会

東京富士美術館(八王子)「フランス絵画の精華」
https://www.fujibi.or.jp/exhibitions/profile-of-exhibitions/?exhibit_id=1201910051
伝統的なフランス絵画を観たい人のための展覧会

三菱一号館 「印象派からその先へ」
https://mimt.jp/ygc/
吉野石膏株式会社が収集した印象派絵画の展覧会

森美術館「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/future_art/
未来をテーマにした、様々な角度からの展示、現代アート

東京都現代美術館「ダムタイプ|アクション+リフレクション」
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/dumb-type-actions-reflections/
メディアアーティストグループ、ダムタイプによる個展、現代アート

⇒アンケート集計の結果、国立近代美術館「窓展」に決まりました。

ゴッホの映画といえば、『炎の人ゴッホ』1956年

2年前に公開された、『ゴッホ 最期の手紙』2017年

美術ライター・編集者として活躍する友人が教えてくれました。秋に『ゴッホ展』が開催されるのにあわせて、2本のゴッホ映画が公開されるようです。

①ジュリアン・シュナーベル『永遠の門 ゴッホの見た未来』

ウィレム・デフォーがゴッホを演じます
公式HP
2019年11月8日(金)ロードショー

②『ゴッホとヘレーネの森 クレラー=ミュラー美術館の至宝』
ゴッホ収集家で知られるヘレーネ・クレラー=ミュラー夫人の眼を通して描かれるドキュメンタリー
公式HP
2019年10月15日(金)

『ゴッホ展』
2019年10月11日(金)~2020年1月13日(月)
上野の森美術館
ゴッホ

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