中央大学 文学部 泉ゼミ (美術史美術館コース) ブログ

美術史美術館コースは、中央大学文学部フランス語文学文化専攻に設置されています。このブログは、日頃のゼミ活動を更新しています。

ようこそ、泉ゼミ・ブログへ。
ゼミは3、4年生で構成され、2年間で、フランスを中心とした西洋美術史、美術館や文化遺産の歴史や今日のあり方について学びます。
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このブログは、ゼミの紹介がメインです。
ゼミ活動のまとめは、上のメニューバー「ゼミについて(毎年更新)」をご覧ください。
大学のゼミってどんな活動をするの? 文学部のゼミでどういうことを学ぶの?
そういうことを知りたい方に、うちのゼミの様子をお伝えできればと思います。

日時:2022年12月18日(日)午後
場所:アーティゾン美術館
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/opera
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2022年度後期、ゼミ見学会は「パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂」に行ってきました。フランス美術と文化遺産を学ぶこのゼミにとって、アーティゾン美術館は、いつも豊富な知識と視覚体験を授けてくれる場所です。しかも、学生の入場料が無料という太っ腹です。展覧会は基本的にゼミ生が選びます。教員としては、1年を通して、絵画展だけでなく、文化遺産というものを総合的に学べることも、訪問する展覧会を決定するうえで考えています。

フランス国立図書館の協力のもと、パリ・オペラ座アーカイブの資料を中心に、17世紀から現代までを「総合芸術」的な観点からたどるぜいたくな展覧会でした。パリ・オペラ座が、アカデミックもアヴァンギャルドも、あらゆる芸術家たちを惹きつける磁場のような場所で、そこで生まれた芸術的遺産を堪能してきました。

19世紀フランス絵画では、マネの同じ主題の作品を二枚並べて観ることができる貴重な機会でした。
《ハムレット役のフォールの肖像》の2枚(1877年)
《オペラ座の仮面舞踏会》(ワシントン、ナショナル・ギャラリー)と《オペラ座の仮装舞踏会》(アーティゾン美術館)の2枚(1873年)

《フォールの肖像》は思ったよりもサイズが大きく、展示室に入ってこちらがドキッと驚いてしまうような、生き生きとした空気感が伝わってきました。《仮面舞踏会》と《仮装舞踏会》の2枚は、マネの試行錯誤が浮かび上がってきます。また、ドガの彫刻の3体は、観察しているうちに、同じポーズをしてみたい気分になるほど、作り手の鋭い洞察を感じました。

これほど多種多様な資料群をいちどに観る機会はそうありません。学生たちは事前学習を念入りにし、それぞれが注目作品をピックアップしていたので、展示の数に圧倒されることなく、楽しんでくれたと思います。
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日時:2022年6月26日(日)午後
場所:21_21 DESIGN SIGHT
http://www.2121designsight.jp/program/C_JC/
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2022年度前期ゼミ、見学会第3弾は「クリストとジャンヌ=クロード”包まれた凱旋門”」です。
この展覧会もゼミ生たちが選んだものです。猛暑の中、行ってきました。日差しの強烈さが集合写真から分かります。
クリストはこの凱旋門プロジェクトの完成を見ずして、2020年にジャンヌのもとに旅立ちました。夫婦の思いを引き継いだ人たちの奮闘ぶりがよく分かる内容でした。教員は会場内のビデオをすべて腰を下ろして見たので、ずいぶん時間がかかってしまいました。ついこの前、ある大学の授業で「ノートル=ダム・ド・パリ大聖堂の建造」に関するビデオを学生たちに見せたのですが、それを思い出しました。このプロジェクトは21世紀の文化遺産の創造にも思えました。ただし期間限定、一時のものです。だからこそ記憶のなかに生き続ける、ビデオのなかのドキュメンタリストがそうコメントしていたように思います。学生たちは何を思ったでしょうか。
今のゼミの3年生、4年生は、2年間のオンライン授業に我慢してきた世代です。みんなで楽しく見て、近くでお茶でもしていたようです。教員が展覧会を後にしたとき、ゼミのお茶はすでに解散したということでした。

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フランスの歴史を記念する凱旋門。ヴィクトル・ユゴーの国葬の時は、ここを通りました。その記念物が包まれて象徴的な意味を失ったとき、パリという都市のなかでどのように見えたでしょう。写真はもちろん残っていますが、本物を見たかったです。

日時:2022年5月29日(日)午前
場所:Bunkamuraザ・ミュージアム
https://www.ntv.co.jp/botero2022/
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2022年度前期ゼミ、見学会第2弾は「ボテロ展 ふくよかな魔法」です。
第1回は教員が提案した展覧会でしたが、第2回、第3回は、3年生それぞれが見学したい展覧会を選び出して発表し、そのなかから投票で2つを決めました。教員は学生時代にBunkamuraによく足を運びました。ボテロについては、ル・シネマでドキュメンタリーも上映されているようです。
今回は事前に課題を与えました。数名で言葉を交わしながら見たり、個人でイヤホン・ガイドとともにじっくり観察したり、時には教員が絵の前で少しコメントしたり、1時間30分があっという間に過ぎました。
美術史の教科書にまだ記されていない現代の芸術家ボテロについて、造形的な特徴、主題、美術史との関係について、グループワークで考えてもらいます。
当日は、30度を超える暑さでした。8名の学生たちとともに、戸外の木陰のテラス(ドゥマーゴではなく)でパスタを食べて、おしゃべりして解散。気持ちのよい昼下がりでした。(残念ながら写真を撮るのを忘れました。)
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こちらは美術館前のスペースに展示されていたボテロの彫刻。

日時:2022年4月29日(金)午後
場所:森美術館
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/chimpom/
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2022年度前期のゼミが始動しました。今年度の見学会第1弾は、「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」です。この企画はすでに3月の時点で教員がゼミ生に伝えていました。
「今だけ学生・子供ワンコイン」割引:学生、子供は期間中、一律500円になるワンコインキャンペーンを実施。期間:3.14(月)~5.5(木・祝)
という魅力的な料金設定があることを知り、これなら躊躇なくゼミ生を森美術館に連れて行くことができます。

ゼミでの見学会は、事前学習と事後学習がセットになっています。今回は事前学習の時間が十分ではありませんでしたが、ゼミ生にネットで読める展覧会記事を集めてもらいました。今回の展覧会は学生が「ハッピースプリング」を楽しんでもらうことが目的でしたので、むしろ事前学習は必要なかったでしょう。この展覧会にすでに足を運んでいた4年生がいましたので、見どころを発表してもらいました。事後学習として、グループ・ディスカッションを予定しています。

さて、見学会当日は祝日でしたので、ゼミでの全体集合はせず、会場でできる人だけ15時半過ぎに待ち合わせということにしました。待ち合わせ場所は、こちらの展示室。IMG20220429175719
by-nc-nd.eu



Chim↑Pom
《ヒロシマの空をピカッとさせる》
《PAVILION》

この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスの下で許諾されています。











大雨にもかかわらず、混雑していました。この展示室はちょうど全体の真ん中あたりで、教員は人をかき分けながら向かったわけですが、数人の学生と会うことができました。現代アートの展覧会を観る経験の少ない学生たちの反応を見たかったわけですが、楽しんでいる様子でした。また会場の熱気もありました。

教員は学生たちの反応を確認したあと、まずはルー・ヤン(陸揚)の映像を1時間ほど楽しみ、その後、最初の展示室のほうに足を向けました。会場を後にしたのは19時ごろ、見応えのある、もちろん「ハッピー」になる展覧会でした。来週のグループ・ディスカッションが楽しみです。

泉ゼミでは毎年「ゼミ活動報告書」を作成しています。3年生は「学年末レポート」、4年生は「卒論紹介」のほかに、「学生生活をふりかえって」と「後輩へのアドバイス」も書いてもらいました。

ゼミには、部活に打ち込んだ人、フランスに長期留学した人、海外に旅に出た人、情熱を注ぐ対象にめぐり会えた人、仕事として何がしたいのかに出会えた人がいます。彼らが卒業前に「後輩へのアドバイス」として残してくれたメッセージを一部抜粋して紹介します。

    
    美美コースの魅力
は、知識が自然と増えていくこと、物事の視野が広がることです。美術史の勉強をすることで、物に対する見方が変わり柔軟な発想ができるようになりました。もともと、自ら進んで美術館に行くような人ではなかったのですが、美美コースで美術史のことを学んでいくうちに美術の面白さを知り、美術館へ行くのが好きになりました。ある程度の知識がある状態で美術館に行くと、今までの何倍も美術館の面白さに気づけると思います。そういうことを学べるのが美美コースです。新しい分野の勉強をしてみたいという人にもオススメしたいです。


 
    大学生になり、高校生とは違って⾃分のしたいことや⾃由に使える時間が増えたと感じています。そのおかげで私はフランスに留学ができ、語学力、日本の良さ、海外の⼈たちの考え⽅を知ることができました。
 私は留学したことで、4 年⽣⼤学に通ったのちに⼤⼿企業に就職することだけがすべてではないと感じました。日本は決まったルートに進むことが偉いと思われがちですが、⾃分が歩みたいと思った道に進むことがとても⼤事であると感じています。フランスで⽣活した中で、フランス人に日本人は大学で学んだことと働き先が異なる人が多いと言われました。海外では、大学で学んだことを活かせる会社に就職したり、しなかったりするのが当たり前だからだと思います。
 私はありがたいことに将来ファッション系の分野で働きたいという理由で中央⼤学の美術史専攻に進学しました。しかし、4 年⽣になり就職活動をしたことで、なぜ⾃分がその道に⾏きたいのかや⼤学⽣活でなぜこのような経験をすることを選んだのかを振り返る機会があり、悩んだ時期がありました。そのような時に、⾃分の⼈⽣の中で⼀番成⻑し、楽しいと感じられることはなんだろうと考えました。その結果、パリコレクションのフィッターの⼿伝いをしていた時だと思いました。⼈⽣を振り返ったことで、私はファッション業界で働こうと改めて感じることができました。
 私は⼤学⽣活では色々な経験をしてきて、楽しいことや⾟いことなど沢⼭の経験をすることができたと思っています。私からのアドバイスとしては、やってみたいけどどうしよう、と少しでも思ったことはなんでも挑戦してみて欲しいということです。失敗しても、⼤学⽣のうちはどうにでもなります。多分ですが、社会⼈になったら今ほど⾃由な時間はないと思います。なので、やりたいことややってもてもいいかもと思うことをとことんやってみて欲しいです。私はがむしゃらにやりたいという気持ちで⾊々とやってみたことで世界が広がり、思わぬ⼈と出会えました。コロナウイルスの中でなかなかうまくいかないこともあるかもしれませんが、ぜひ沢⼭の挑戦をしてください。
 

    
    せっかくの大学生活ですし、やりたいと思ったことは全てやってみるといいと思います。私は 19 歳になってクラシックバレエに初挑戦しました。レオタードを着た女性しかおらず、一人体操着で受けるバレエのレッスンは本当に苦でした。ですが、今はレッスンを受けるのがとても楽しいです。何事もやり初めは辛いけれど、取り敢えず続けてみることが重要だと思います。



    今、自分のやりたいことがあってそれをすることが正しいという直感があるのならば、それをやり続けるのがいいと思います。
しかし、⾃分のやりたいことがない、もしくはやりたいことがあるがそれが正しいかまだわからないという方は、少し意識的に逸脱してみてはいかがでしょうか。普段やらなかったことをする、普段言わないようなことを言ってみる、普段食べないものを⾷べる。そんなことでも新しい発⾒がたくさんあります。「世界が広がる」という言葉は使い古されていて好きではないのですが、実際に新しいことに挑戦してみると世界は広がります。何より、「他の人はやったことないけど、⾃分は○○をしたことがある」という経験は、⾃⼰の存在を認識する手助けになってくれます。



    私は、所属していた○○部で挑戦することの大切さを学びました。 1 年生の時にマネージャーとして入部をしましたが、勝敗に携わりたい思いが強くなり 2 年生で先輩と共にアナライジングスタッフユニットを作り、転職をしました。このことが○○部での大きな挑戦でした。4年生になった時には対戦相手の分析や審判など仕事の幅が広がりました。試合に勝った時やコーチ、選手から必要とされている時、感謝された時はアナライジングスタッフに挑戦して良かったと感じる瞬間です。この経験から挑戦することで自分のスキルが向上し、新しい自分に出会えることが出来ました。挑戦することをポジティブに捉えて、楽しく充実した大学生活を送って下さい。



    就活に関してはとにかく積極的に情報を集めること、自信を持つことが大切です。また面白いことややりたいことがあれば思い切ってやってみるといいです。自分は 4 年の前期に 、就活の最中に○○のテストを受けました。そこで知り合った方は今でも相談に乗ってもらったり、学んだ知識は今とても役に立っています。そのため何事もまずやってみるのが大切だと思います。アドバイスは以上です。残りの学生生活を楽しんでください。



    私は 4 月から番組制作会社で働きます。在学中に学芸員資格課程を受けていたこともあって、いつか美術系の教養番組に携われたらいいな、と漠然とした夢を持っています。今 3 年生は就職活動をしている最中だと思いますが、やりたいことがまだ決まっていない人は、自分の好きなことや得意なことから職業を探していくのもいいかもしれません。既にやりたいことが明確になっている人は、その会社でいずれどんなことをしたいのか、という目標を持っているといいと思います。入社する時に、ただ入社するのと夢を持って入社するのでは、その後の社会人生活にもきっと大きな変化があると思います。

2021年度のゼミは対面授業でスタートしましたが、ゴールデン・ウィーク前後でオンライン授業となり、6月から対面授業を再開しました。学内の図書館ツアーライティングラボのツアーも実施できました。

前期の学び(オンライン授業中)
前期のオンライン授業では、以下のテクストをもとに、「絵画とは何か」について理解を深めました。


前期の見学会
去年のゼミでは、見学会を思うように実施できなかったので、前期は美術館に行くことをメインとしました。
「モンドリアン展」SOMPO美術館
「アイノとアルヴァ ふたりのアアルト展」世田谷美術館
この二つの展覧会は、3年生が中心となって見学したい展覧会をピックアップし、投票で決めました。
「#映える風景を探して」町田市立国際版画美術館 
教員が図録論文に関わった関係で選びました。

後期の見学会
「迎賓館赤坂離宮 本館と庭園」を見学しました。
3年生は見学前にそれぞれの発表担当を決めました。見学後に以下のトピックについて発表しました。
建設のあゆみ、玄関ホール、朝日の間、彩鸞の間、羽衣の間、花鳥の間

3年生のグループ課題(11~12月)
3年生は二つのグループに分かれ、それぞれグループのテーマを設定し、資料を探し、発表しました。
グループ1:パリ万博とジャポニスム(モチーフと造形)
グループ2:『ブルーピリオド』マンガ紹介、藝大受験の自画像、予備校と藝大

ちょうどアニメが放映されていたので、教材として取り上げてみました。

2021年度ゼミ生による「卒業論文」と「学年末レポート」のタイトル

4年生 卒業論文タイトル

ロートレックのジャポニスム──作家の独自性を際立たせるための技術
ルネ・ラリック──ジュエリーから見えてくるルネ・ラリックの才能
サルバドール・ダリが用いたモチーフ達──絵画への自己投影 、科学との融合について
アンリ・マティスの室内画──空間に込めた表現
ポール・ゴーガン──タヒチが生み出す楽園と苦悩
マルセル・デュシャンとアメリカ──自由な表現を求めて


3年生 学年末レポートタイトル(5000字前後)

ジェームズ・マクニール・ホイッスラーにおけるジャポニスムの変遷──イギリス・ジャポニスムの起源から
ポール・ポワレが時代に与えた影響
フィンセント・ファン・ゴッホ──孤高の画家が手に入れた色彩と造形
バンクシーらしきネズミの絵」──グラフィティはどのようにアートになるべきか
アルフォンス・ミュシャ、世紀末パリでの活躍

3年生「学年末レポート」、4年生「卒業論文の概要」、4年生「学生生活をふりかえって」をまとめて冊子にし、2021年度ゼミ活動の成果とします。

日時:2021年10月8日(金)15時スタート
場所:迎賓館赤坂離宮 本館と庭園
https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/

2021年度後期授業が9月後半から始まりました。緊急事態宣言が解除されたので、ゼミの見学会をさっそく企画しました。泉ゼミでは、フランス美術だけでなく、文化遺産についても学びます。その学びの場として、フランスの歴史的建造物の要素をぞんぶんに取り入れた迎賓館赤坂離宮を訪問しました。
今回の見学は、本館と庭園です。ボランティアの方々が室内装飾について詳しく解説してくださり、学生たちの興味が広がりました。建築様式や装飾のモティーフなど、実際に見て学ぶ貴重な機会となりました。来週は、学生の発表をもとに、建物や室内装飾の理解を深めます。
館内の見学後、庭に出て、何枚か集合写真を撮りました。
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建物のファサードについては、来週のゼミで復習しましょう。
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最後は建物正面のファサードを見て、見学会は終了しました。

日時:2021年6月18日(金)14時スタート
場所:町田市立国際版画美術館
#映える風景を探して 古代ローマから世紀末パリまで
2021年度前期のゼミ美術館見学会第3弾、町田市の芹ヶ谷公園内にある町田市立国際版画美術館に行ってきました。
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4月24日から始まったこの展覧会は、すぐに緊急事態宣言によって中断され、6月1日から再開されました。
この見学会は、ゼミの教員が展覧会図録に文章を執筆する機会を与えていただき、学芸員さんと連絡を取り合っていた関係で実現しました。「《古きフランスのピトレスクでロマンティックな旅》を楽しむために」というタイトルの文章です。
最初に、この展覧会を担当した学芸員Tさんから、美術館の入り口で展覧会や版画美術館についての説明を受けてから、今年のゼミの集合写真を1枚撮っていただきました。
集合写真(ほかし)
2階の展示室へ。版画は光に弱いので、いつもよりは暗い部屋でした。
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ブリューゲルから始まります。今回は風景画がテーマです。これまで風景画というと色彩の作品を見る機会が圧倒的に多く、ほとんど版画だけで風景画を見る、線と構成だけで風景画を見るというのは初めての機会でした。ロランやピサロの油彩、水彩画、手彩色と、色のある作品が要所要所で入るので、目にとっても単調にならずに楽しめました。あと風景を描くための道具類の展示もありました。
個人的には『エジプト誌』の手彩色のエッチングが繊細な描写のなかに鮮やかな色彩が印象的でした。
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時代を通して版画技術の変化とともに、モノクロの濃淡がどのように変容してゆくのか、よく分かる展覧会でした。
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学芸員さんお世話になりました。

日時:2021年6月11日(金)13時スタート
場所:世田谷美術館
アイノとアルヴァ 二人のアアルト展、フィンランドー建築・デザインの神話
先週に続き、今週は、「二人のアアルト展」です。
最近、フィンランドの建築・デザインの展覧会をよく目にします。3学生全員がこの展覧会を選びました。デザインは、私たちの暮らしと密接にかかわってきますので、学生たちにとっても身近なんでしょう。アルヴァのほうは有名ですが、今回は奥さんのアイノについても取り上げた展覧会です。
先週モンドリアン展でみたイスは角ばっていましたが、今日のイスはどれも曲線のデザインで、人の体にやさしいものでした。
1937年のパリは、美術ではいろんな文脈で語られる万博ですが、アアルトも参加してたんですね。
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先週は横殴りの雨でしたが、今日は快晴、ただし気温は30度近くでした。でも砧公園のなかは、風が通って気持ちよかったです。
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木の素材をいかにたまわせるか、その技術が紹介されていましたが、こちらはそこから生まれた作品たち。
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子ども用のベッドです。やはりあちらの子どもは仰向けで寝ていません。
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イスの座面がかなり地面に近いように感じます。
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この曲線がすてきです。アメリカで設計した学生寮ではなく、ニューヨーク万博フィンランド館、うねる壁の模型でした。
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見学終了。

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